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理想の家づくり

太陽光発電は北海道でも効果的?知っておきたい注意点やメリット

2025.02.25

太陽光発電は、北海道でも節電効果が期待できます。他府県との発電量を比較したり、太陽光発電を北海道で導入するポイントや太陽光発電のメリット・デメリットをご紹介します。

太陽光発電は北海道でも節電効果が期待でき、むしろ太陽光発電に向いている気候であるといわれています。雪が多い地域でも問題なく節電効果が得られるので、北海道での家づくりを予定している方は、ぜひ検討してみてください。

本記事では、北海道で太陽光発電を設置する際のポイント、太陽光発電のメリットやデメリットをご紹介します。そのほか、太陽光発電でどれくらい節約できるのかもお伝えします。


北海道の太陽光発電事情

太陽光発電を北海道で設置するにあたって、雪が積もる地域でも効果的なのか疑問に思っている方がいるのではないでしょうか。ここでは、北海道の太陽光発電に関する事情について、他府県と発電量を比較し、雪が積もる地域でも問題なく設置できる理由を解説します。

北海道は太陽光発電向けの気候

北海道は、日照時間が短く気温が低いイメージを持っている方が多く、太陽光発電を設置しても効果が期待できるのか不安な方もいるでしょう。太陽光パネルは、気温が低くパネルの裏面の温度が下がることで、発電効率が上がるといわれています[1] 。

そのため、ほかの地域よりも気温が低い傾向にある北海道は、太陽光発電に向いている気候ともいえるでしょう。平均気温が低いだけではなく、真夏日も少ないため、効率よく発電できる日が多いです。

他府県との発電量比較

他府県との予測発電量は、札幌市が年間5,846kWh、東京都が6,339kWh、大阪府が5,620kWh、福岡市が5,867kWhというデータがあります。

また、気象庁の調べでは北海道の平年日照時間は1,718時間に対して、東京の八王子市は2,666時間です。しかし、八王子の発電量は4,201kWhと、北海道より少ない結果が出ています。[1] 

北海道は他府県に比べて日照時間が短いものの、予測発電量は福岡市に次いで多いため、積雪の影響があっても安定して発電できる地域であることが分かります。ただし、屋根のつくりや方角などによって、実際の発電量は異なります。

太陽光パネルの設置位置やパネル数の調整、積雪対策などをしっかりすれば、予測発電量より多く電力を発電できる可能性があるでしょう。

太陽光発電を北海道で設置する際のポイント

北海道で省エネの家づくりを検討している方は、太陽光発電を導入するポイントを押さえておくことが大切です。ここでは、太陽光発電を北海道で設置するときのポイントを2つご紹介します。


積雪対策を入念に

太陽光発電の効果を最大限発揮するには、積雪対策を入念に行うことがポイントです。太陽光パネルは、積雪により発電の効率を低下させないよう、表面を滑りやすく傾斜のあるつくりとなっています。

その反面、積もった雪が落ちやすくなっているため、落雪の頻度が多くなったり、落雪で怪我をしたりするリスクが高まります。近隣の方が、落雪がきっかけで怪我をしてしまったら、近所の方との関係性が悪化するおそれもあるでしょう。

太陽光発電の設置における積雪対策では、スノーダクト屋根に平置き設置したりすることがポイントです。

勾配屋根の場合、落雪のリスクを考慮して、軒下にものを置かない、人が通過しないようにする、などの対策を取ることも考慮しましょう。

適用できる補助金を確認

北海道では、太陽光発電の設置や、それに付随する蓄電池の設置に対する補助金事業を展開しています。ここでご紹介する補助金に関する情報は、2024年11月20日時点のものです。

たとえば、北海道札幌市では、再エネ機器導入初期費用ゼロ事業補助金制度の募集を開始しています。札幌市内で太陽光発電、または定置用蓄電池を設置するサービスを提供する事業者での利用が対象となっています。

申し込み募集期間は、2024年4月1日〜2025年1月31日までです。先着順で受け付けを行い、補助申請額が予算額に達した日をもって募集を終了するため、予定よりも早く募集が終了する可能性があります。

補助金額は、太陽光発電が1kWあたり18,000円で上限125,000円、定置用蓄電池が1kWあたり15,000円で上限60,000円 です。同じ北海道内でも、地域によって補助金制度の内容が異なるため、事前に利用できる最新の補助金制度をチェックしておきましょう。

太陽光発電のメリット

太陽光発電の導入に迷っている方は、まずどのようなメリットが得られるのかを知ってから、設置するか判断するとよいでしょう。ここでは、太陽光発電のメリットを3つご紹介します。

電気代節約に効果的

太陽光発電を導入すると、自家発電により電力会社から電気を購入する必要が減るため、電気代の節約につながる可能性が高いです。近年では、電気料金が年々上昇しているため、太陽光発電で電気代を節約しようとする家庭が増えています。

これからも電気代の高騰が予想されるため、今からマイホームを検討している方は、家の設計時に太陽光発電の設置も検討するとよいでしょう。

ただし、生活スタイルや地域などによって、太陽光発電でどれくらいの電気代が節約できるかが異なります。そのため、太陽光発電の設置に詳しい業者へ、事前にシミュレーションしておくことがおすすめです。


災害時の予備電源になる

太陽光発電は、積雪や地震などの災害が原因で停電しても、予備電源として電気を使うことができるメリットがあります。自立運転に切り替えることで、非常用コンセントから通常どおり電力を利用できます。

とくに、他府県に比べて積雪による災害リスクが高い北海道では、災害時の予備電源の需要が高いです。長期停電になっても、太陽電池モジュールや周辺機器、分電盤などに破損が見られなければ、通常時のように発電できます。

予備電源として活用すれば、日々の生活に必要なエアコンや冷蔵庫、照明なども使えるようになるため、熱中症や食品の腐敗などの懸念点が解消されるでしょう。スマートフォンも充電できるため、知り合いに連絡して安否を確認したり、災害情報をチェックしたりできます。

売電収入を得られる

太陽光発電で発生した電力は、自分の家で消費するだけではなく、余った電力を電力会社に売ることも可能です。電気は性質上簡単にためておくことが難しく、昼間に発電した電気を夜に使うことができないため、蓄電池がない場合は売電収入を得ることがおすすめです。

2024年度の住宅用太陽光発電の売電価格は、10kWh未満の場合1kWhあたり16円[1] と決まっています。国が定めた再生可能エネルギー固定価格買取制度によると、定められた価格で10年間の買い取りが約束されています[2] 。

また、昼間は自家発電した電気で過ごせますが、夜間は電力会社から電力を購入しなければいけないケースがあるでしょう。電力会社から購入した電気料金を売電収入でまかなうことで、さらに光熱費削減につながります。

太陽光発電のデメリット

北海道で太陽光発電を設置する場合、積雪によるデメリットだけではなく、そのほかの一般的なデメリットも把握しておくことが大切です。ここでは、太陽光発電のデメリットを3つご紹介します。

定期的なメンテナンス・雪対策が必要

太陽光発電を設置する際、北海道などの雪の降る地域では雪対策、そして定期的にメンテナンスを行う必要があります。太陽光発電に使用されるモジュールは、比較的寿命が長いものではありますが、屋外に設置するため定期的なメンテナンスが大切です。

メンテナンスを怠ると、自然災害が起こったときに破損したり、モジュールの汚れが原因で発電量が低下したりするおそれがあります。日常的に目視して状態を確認するのが難しいからこそ、専門家によるメンテナンスが必要です。

また、北海道などで太陽光発電を設置する場合は、雪対策も行わなくてはいけません。雪止めを設置する、太陽光パネルの設置面を減らすなど、積雪による影響を少しでも抑える工夫を行うとよいでしょう。

設置費用が高い

太陽光発電を購入して設置する場合は、新築住宅で1kWあたり28.8万円[1] が平均となっています。一般的な住宅は、3kW〜5kWの太陽光パネルを導入するケースが多いため、86.4万〜144万円ほどの設置費用がかかると考えられます。

100万円前後の費用がかかるため、人によっては設置費用が高く、建築費用の予算内で設置するのが難しい場合があるでしょう。決して安い価格ではありませんが、高いからといって設置を諦めるのはもったいないともいえます。

設置費用を少しでも抑えたい場合は、補助金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。そのほか、太陽光発電を一括で購入するのではなく、リースで利用するなど、支払い負担を軽減する方法を選択することも相談してみると良いでしょう。

設置できない場所もある

既存住宅の場合、新築住宅と異なり、建築年数や構造上の問題により、太陽光発電を設置できない可能性があります。具体的には、北向き一面の屋根や屋根が小さすぎる家、重量負荷に耐えられないほど古い築年数の家などが該当します。

地域によっては、積雪以外に塩害などの特有の被害が予想される場合があるため、事前にリサーチしておくことが大切です。そもそも日光が屋根に当たらない場合は、太陽光発電を設置してもメリットが得られない可能性があります。

対策としては、太陽光発電の効果を最大限得られる場所を見極めるために、太陽光発電の設置に詳しい業者に相談してみるとよいでしょう。

太陽光発電で節約できるお金の試算方法

太陽光発電で電気代を節約できる可能性があるものの、実際にどれくらいの電気代を削減できるのか気になる方がいるのではないでしょうか。ここでは、太陽光発電で節電できるお金の試算方法について解説します。

太陽光発電による光熱費の削減率

リビングワークでは、高性能の家づくりを提案するなかで、太陽光発電の設置にも対応しています。補助金の活用により初期費用を少しでも抑えるようにサポートしてくれるため、設置費用を抑えたい方におすすめです。

蓄電池との併用で更なる節約に

太陽光発電は、発電した電気をそのまま使うことはできても、蓄電池がなければためておくことができません。蓄電池とセットで設置すると、自家発電した電気を貯蓄しておくことができ、活用するとさらに節約が期待できます。

リビングワークの太陽光発電シミュレーションによると、システム容量5.16kWで年間発電量が3,491kWhの太陽光発電と蓄電池のセットで設置する場合、年間114,429円の発電収入換算額となります。

太陽光発電のみを設置した場合の発電収入換算額は、先ほど述べたように年間87,157円です。蓄電池をセットで設置した場合の発電収入換算額と比較すると、年間27,272円の差額があるといえます。

太陽光発電を設置する地域によりますが、蓄電池とセットで設置すると、さらに年間3万円近く光熱費を節約できる可能性があるでしょう。さらに先ほど述べた北海道の家計調査による平均光熱費である年間118,143円と比較すると、3,714円の支払いで済むと考えられます。

気象状況や実際の消費エネルギーによっては、太陽光発電と蓄電池の導入で、光熱費ゼロを実現できる可能性があります。リビングワークでは、蓄電池の取り扱いも行っているため、セットで導入したい場合は相談するとよいでしょう。

太陽光発電で光熱費のかからない家に

太陽光発電だけではなく、そのほかの工夫を施すことで、さらに光熱費のかからない家を実現できる可能性があります。ここでは、太陽光発電で光熱費のかからない家にするために知っておくべきポイントを2つご紹介します。


光熱費のかからないZEHとは

ZEHとは、家自体の性能を高めて省エネな住宅を実現したうえで、再生可能エネルギーを導入して、エネルギー消費の収支ゼロを目指した住宅です。具体的には、冷暖房設備の効率を高めながら、太陽光発電などでエネルギーをまかなう考えのことです。

簡単にいうと、年間の光熱費がかからない住宅のことを指します。北海道などの寒冷地の場合、従来の住宅の光熱費が年間393,191円、省エネ基準の住宅の光熱費が年間333,174円、ZEH基準の住宅の光熱費が年間208,323円が目安です。

従来の住宅とZEH基準の住宅の光熱費を比較すると、年間184,868円の差額があります。住宅の性能を高めるだけで、光熱費を20万円近く節約できる可能性があるでしょう。ただし、生活スタイルや家族構成、気象条件などによって、節約できる金額は異なります。

光熱費節約には断熱や気密性も大切

ZEH住宅の認定基準を満たすには、十分に断熱性や気密性を高めることが求められます。効率よく冷暖房を効きやすくするには断熱性が重視されますが、断熱性のみを高めても、すき間があれば風が出入りしてしまうでしょう。

そのため、断熱性とともに、気密性も高めることがポイントです。気密性を高めて家の壁の隙間をなくすことで、断熱性能も十分に発揮されるため、さらに省エネな家づくりを実現できます。

また、外壁だけではなく、窓や扉などの開口部の断熱性を高めることも重要です。開口部は、空気の出入りにより温度が変化しやすいため、窓や扉などの断熱性能次第で空調設備の稼働時間に影響すると考えられます。

リビングワークでは、新築・リノベーションの事例を掲載しています。資料請求やお問い合わせをメール・電話で行っているため、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

太陽光発電は、北海道などの寒冷地でも、十分に節電効果が得られる可能性があります。効果を発揮するためには、積雪を考慮して対策を行うことが必要です。

さらに、住宅自体の断熱性や気密性を高めることで、冷暖房が効いている室内から外気に空気が逃げ出すのを防ぎ、省エネな家づくりを実現できます。高性能の住宅に太陽光発電を導入すれば、光熱費のかからない家が手に入るでしょう。

リビングワークでは、高性能な家づくりに対応しているハウスメーカーです。光熱費の節約や太陽光発電の相談も受け付けているので、快適に過ごせる省エネな住宅を建てたい方は、ぜひお問い合わせください。

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