コラム

家づくりの基本知識

【完全ガイド】注文住宅のシックハウス対策|健康を守る建材選び&換気の秘訣

2025.01.28

注文住宅を計画する際、多くの方が「シックハウス症候群」という言葉を耳にしたこともあるでしょう。

新築住宅で使用される建材や家具から揮発する化学物質が原因で、健康に悪影響を及ぼすリスクがあるため、対策が不可欠です。

この問題を適切に対処することで、家族全員が安心して暮らせる住まいを実現できます。

本章では、シックハウス症候群を予防するための重要なポイントを分かりやすく解説します。

  • シックハウス症候群の定義と原因
  • セルフチェックと診断方法
  • 具体的な予防策
  • 注文住宅での設計ポイント

その他、健康的な住環境を実現するためのヒントが満載です。

ぜひ最後までご覧いただき、ご自身の住まいづくりにお役立てください!

目次

シックハウス症候群とは?基本から学ぶ

シックハウス症候群とは、住宅や建物に含まれる化学物質や環境要因が原因で発生する健康被害を指します。

症状は軽い頭痛やめまいから、呼吸器障害や皮膚炎に至るまで多岐にわたります。

この症候群のリスクをきちんと理解し、適切に対策を講じることで、家族の健康を守ることができるのです。

シックハウス症候群の定義と症状

シックハウス症候群は、住宅内の空気環境が原因で体調不良を引き起こす状態を指します。

代表的な症状は以下の通りです。

呼吸器症状:咳、喉の痛み、息苦しさ

神経症状:頭痛、めまい、集中力低下

皮膚症状:かゆみ、発疹

これらの症状は個人差があり、特に化学物質やカビに敏感な人に発症しやすいです。

新築住宅でシックハウス症候群が起きる理由

新築住宅は、使用される建材や接着剤から発生する揮発性有機化合物(VOC)が原因となることがあります。

これらの化学物質は新築時に濃度が高く、十分な換気が行われない場合、室内に滞留しやすくなります。

また、気密性が高い現代の住宅では、空気の循環が妨げられ、シックハウス症候群のリスクを高める要因となっています。

なりやすい人の特徴とリスク

シックハウス症候群は、次のような人が特に注意が必要です。

アレルギー体質の人:化学物質やカビに対して敏感で、症状が悪化しやすい

赤ちゃんや小さな子ども:免疫機能が未熟なため、化学物質の影響を受けやすい

高齢者や持病を持つ人:体力や抵抗力が低下しているため、症状が重篤化しやすい

家族全員が安心して暮らせる住環境を整えることが、健康被害を防ぐポイントです。

シックハウス症候群の原因とリスク要因

シックハウス症候群は、住宅や建物内に含まれる化学物質や環境要因が主な原因です。

特に新築住宅では、建材や家具から揮発する有害物質の濃度が高くなるため、適切な対策が重要です。

また、湿度管理の不備や換気不足もリスクを増大させます。

シックハウスの原因は以下の3つに分類されています。

  1. 化学物質(ホルムアルデヒド、トルエン、VOCなど)
  2. 湿度管理の不備(ダニやカビの発生)
  3. 換気不足(室内空気の滞留)

ここでは、特に化学物質に焦点を当て、主な原因物質について詳しくみてみましょう。

主な原因物質(ホルムアルデヒド・トルエン・VOC)

シックハウス症候群の主な原因物質は、建材や家具から発生する化学物質です。

これらの物質は特に新築時に濃度が高くなるため、早期の対策が求められます。

以下に、代表的な物質とその影響をまとめました。

物質名特徴健康への影響主な発生源
ホルムアルデヒド接着剤や合板に含まれる化学物質

住宅建材に広く使用されている
目や鼻の刺激、喉の痛み、呼吸困難、アレルギー症状を引き起こす家具、壁紙、床材
トルエン塗料や接着剤に含まれる揮発性化合物神経系に作用し、めまいや吐き気、集中力の低下を引き起こす可能性がある壁の塗料、接着剤、シーリング材
VOC(揮発性有機化合物)揮発性のある化学物質の総称で、ホルムアルデヒドやトルエンも含まれる長時間吸入すると呼吸器障害や神経症状を誘発する可能性がある建材全般、家具、清掃用化学製品

これらの物質は、新築住宅で特に濃度が高くなるため、住み始める前の対策が重要です。

低VOC建材を選ぶ、十分な換気を行うといった対策を実施することで、健康への影響を最小限に抑えることができます。

特に、小さな子どもやアレルギー体質の人がいる家庭では、これらの化学物質への対策を徹底しましょう。

赤ちゃんへの影響

赤ちゃんは免疫機能が未熟で、呼吸や皮膚を通じて化学物質の影響を受けやすいです。

そこで、以下の3つの影響が懸念されます。

・呼吸器系への負担(咳、喘息の悪化)

・アレルギー発症のリスク増加

・神経発達への影響

赤ちゃんがいる家庭では、低VOC建材を選ぶことや適切な換気を行うことが特に重要です。

新築住宅における湿度管理と換気不足の影響

湿度が高いと、ダニやカビが繁殖し、これらがシックハウス症候群の原因となることがあります。

一方で、換気不足は室内の化学物質濃度を高める要因となります。

そこで、以下のポイントを意識することが重要です。

・適切な湿度管理:湿度は40~60%を維持するのが理想的

・十分な換気:24時間換気システムや定期的な窓開けで空気を入れ替える

湿度管理と換気を両立させることで、住環境を快適かつ安全に保つことができます。

シックハウス症候群のセルフチェックと診断

シックハウス症候群は、自覚症状だけでなく、住環境や周囲の状況を確認することが重要です。

まずはセルフチェックを行い、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

ここでは、セルフチェックの方法と診断に役立つ情報を紹介します。

シックハウス症候群セルフチェックリスト

以下の項目を確認し、該当する場合はさらなる対策が必要です。

【住環境に関するチェック】

  • 新築やリフォーム直後の住宅に住んでいる
  • 換気が十分に行われていない
  • 室内に新しい家具やカーペットが多い
  • 化学製品(塗料、接着剤など)の臭いが気になる

【身体症状に関するチェック】

  • 喉の痛みや咳、鼻水が頻繁に起こる
  • 頭痛やめまい、疲れやすさを感じる
  • 肌のかゆみや発疹がある
  • 症状が特定の場所で悪化し、外出すると改善する

上記項目に複数該当する場合は、早めの対応が推奨されます。

相談すべき診療科(内科・アレルギー科など)

症状がセルフチェックで確認された場合、次の診療科で相談が可能です。

  • 内科:頭痛やめまい、呼吸器症状が主な場合に適している
  • アレルギー科:アレルギー性の反応が疑われる場合に専門的な診断が受けられる
  • 皮膚科:皮膚にかゆみや発疹がある場合に対応可能

受診時には、住環境や使用している建材・家具についても医師に伝えると、診断がスムーズでしょう。

血液検査や検査キットを活用する方法

医療機関や自宅で使用できる検査方法を活用することで、原因物質を特定しやすくなります。

【血液検査】

病院で行う血液検査では、特定の化学物質やアレルギー物質に対する抗体の有無を調べられます。

これにより、体内で起きている免疫反応を把握することができます。

【検査キット】

市販の空気中の化学物質を測定するキットを使うことで、室内環境の状態を簡単に確認できます。

以下の項目を測定できるものが一般的です。

・ホルムアルデヒド濃度

・揮発性有機化合物(VOC)の総量

これらの結果を基に、改善策を検討することが可能です。検査キットはオンラインや専門店で購入できます。

シックハウス症候群を防ぐための具体策

シックハウス症候群を予防するためには、住環境を整えることが不可欠です。

建材や家具から揮発する化学物質の除去や換気の徹底を中心に、以下の具体策を実践しましょう。

ベイクアウト法で化学物質を揮発させる

ベイクアウト法とは、室内を高温状態にして建材や家具から化学物質を揮発させ、その後に換気を行う方法です。

【手順】

  1. 暖房器具を使用して室内の温度を30〜35℃程度に上げる
  2. 1〜2時間その状態を維持する
  3. 揮発した化学物質を排出するため、全ての窓を開けて十分に換気を行う

この方法は、新築やリフォーム直後に効果的で、揮発性有機化合物(VOC)を効率的に減少させることができます。

空気清浄機の活用法

化学物質やカビ、ホコリを取り除くために、空気清浄機を活用するのも効果的です。

【選び方とポイント】

  • HEPAフィルター搭載:微細な粒子やアレルゲンを除去する効果があります。
  • 活性炭フィルター付き:化学物質や臭いの吸着に適しています。
  • 適応面積を確認:部屋の広さに合った機種を選ぶことで効果が最大化されます。

空気清浄機を設置する際は、24時間稼働させるのが理想的です。

家具選びと備長炭の活用

家具は室内の雰囲気を作るだけでなく、住環境に大きな影響を与えます。

選び方や使い方を工夫することで、シックハウス症候群のリスクを抑えることができます。

また、備長炭を併用することで、空気の質をさらに改善し、健康的な生活空間を実現できます。

以下より、家具選びの3つの注意点と備長炭の活用法を確認しましょう。

低VOC家具を優先

化学物質の放出量が少ない家具を選びましょう。

特に「F☆☆☆☆」(エフフォースター)認定の製品は安全性が高くおすすめです。

無垢材や自然素材を選ぶ

塗装や接着剤を使用しない無垢材の家具は、化学物質の発生を抑えることができます。

また、自然塗料を使用した製品も選択肢に入れましょう。

新しい家具を購入した際は換気を徹底

新品の家具からは化学物質が放出されやすいため、購入後しばらくは換気を頻繁に行うことが重要です。

備長炭の活用法

備長炭は、化学物質の吸着や湿度調整に役立つ自然素材です。

空気を清浄化する力があり、気軽に取り入れられます。

  • 設置場所:家具の近くや部屋の隅、棚や引き出しの中に置くと効果的
  • 使用方法:備長炭は数か月に一度、日光に当てて乾燥させることで吸着効果をリセットできる

備長炭は見た目もおしゃれなインテリアとして活用できるため、生活に取り入れやすいアイテムです。

毎日の換気と湿度管理

換気と湿度管理は、シックハウス症候群を予防するための基本的な対策です。

これらを適切に行うことで、化学物質の濃度を下げ、健康的な住環境を維持できます。

換気のポイント

24時間換気システムが設置されている場合は、適切に稼働させることが重要です。

さらに、窓を定期的に開けて空気を入れ替えることで、室内の空気をより効率的に浄化できます。

換気方法ポイント
24時間換気システム設置されている場合は必ず稼働させ、システムが正常に動作しているか定期的に確認する
定期的な窓開け1日2〜3回、5〜10分程度窓を開けて新鮮な空気を取り入れる

換気を意識的に行うことで、室内に滞留している化学物質を排出し、新鮮な空気を取り入れることができます。

特に、新築住宅やリフォーム直後の住まいでは重要な対策です。

湿度管理のポイント

湿度は高すぎても低すぎても健康に悪影響を及ぼします。

適切な湿度を保つためには、季節や天候に応じて調整を行うことが重要です。

湿度管理方法ポイント
適切な湿度の維持室内の湿度を40〜60%に保つことで、ダニやカビの発生を抑えられる
除湿器や加湿器の活用湿度が高いときは除湿器、乾燥する季節は加湿器を使用して湿度を調整する

適切な湿度を維持することで、カビやダニの発生を防ぎ、室内環境を快適に保つことができます。

除湿器や加湿器を活用する際は、設置場所や使用時間にも配慮しましょう。

継続することで得られる効果

これらの換気と湿度管理を日々習慣化することで、住環境を快適かつ健康的に保つことが可能です。

特に、新築住宅やリフォーム直後は化学物質の濃度が高いため、意識的にこれらの対策を実施することが重要です。

注文住宅でシックハウス症候群を防ぐための設計ポイント

シックハウス症候群を防ぐためには、設計段階から有害物質を抑える工夫が重要です。

低VOC建材を使用することで、家族全員が安心して暮らせる健康的な住まいを実現できるのです。

ここでは、具体的な設計ポイントをご紹介します。

低VOC建材の使用と選び方

低VOC建材の選定は、シックハウス症候群のリスクを大幅に減らす鍵となります。

【低VOC建材とは】

VOC(揮発性有機化合物)の放出量が少ない建材のことで、壁紙や接着剤、塗料、床材などに使用されます。

特に、日本では「F☆☆☆☆」(エフフォースター)規格が推奨されており、この認定を受けた建材は安全性が高いです。

以下より、選び方のポイントをみてみましょう。

認定マークを確認する

「F☆☆☆☆」マーク付きの建材を選びましょう。

自然素材を優先

無垢材や自然塗料を使用した製品は化学物質の放出が少なく安心です。

家具やカーテンにも配慮

建材だけでなく、家具やインテリアも低VOC製品を選ぶことで、より安全な室内環境が整います。

気密性と換気性能のバランスを取る設計

近年の住宅は高気密・高断熱が求められる一方で、換気性能をおろそかにするとシックハウス症候群のリスクが高まります。

そこで、気密性と換気性能のバランスを取るための設計が重要課題です。

以下の3つは、設計の際のポイントです。

24時間換気システムの導入

新築住宅では義務化されていますが、性能が適切か確認し、メンテナンスを怠らないようにしましょう。

窓や通気口の配置を工夫する

自然換気が行いやすい設計にすることで、効率的な空気の流れを確保できます。

調湿機能付きの断熱材を使用

室内の湿度を適切に保つことで、カビやダニの発生を防ぎ、化学物質の影響を抑えます。

赤ちゃんに優しい住宅設計

赤ちゃんは免疫機能が未発達で、有害物質の影響を受けやすい存在です。

以下のポイントを考慮した住宅設計が求められます。

低VOC建材と自然素材を使用

赤ちゃんが触れる床材や壁には、特に安全な素材を使用しましょう。

換気性能を重視

赤ちゃんの部屋には、空気の流れを意識した換気設計を取り入れることが重要です。

安全な湿度管理

赤ちゃんに適した湿度(40〜60%)を保つため、調湿性能の高い建材や除湿器・加湿器の活用を設計段階で考慮しましょう。

遊び場や寝室の配置を配慮

赤ちゃんが過ごす時間が長いスペースには、日当たりや通風の良い場所を選ぶとともに、家具や装飾品にも低VOC製品を使用しましょう。

これらの設計ポイントを取り入れることで、シックハウス症候群を予防し、長期的に健康的な住環境を維持することが可能です。

注文住宅の計画段階からこれらの工夫を取り入れてみてください。

シックハウス症候群に関するよくある質問

シックハウス症候群については、新築住宅やリフォーム後の住環境に不安を抱える方から多くの質問をいただきます。

ここでは、特に多い疑問点に対して簡潔にお答えします。

シックハウス症候群のリスクや対策について理解を深め、健康的な住まいづくりの参考にしてください。

シックハウス症候群はいつまで続くのか?

揮発性有機化合物(VOC)の放出量は時間の経過とともに減少しますが、完全に収まるまで数ヶ月から数年かかる場合があります。

適切な換気や湿度管理を継続することが重要です。

症状が続く場合の市販薬の利用方法

軽い症状には市販薬(抗ヒスタミン薬など)が有効な場合がありますが、症状が改善しない場合は医師に相談してください。

根本的な原因の解決が必要不可欠となります。

注文住宅で重視すべきポイントは?

低VOC建材の使用、換気性能の高い設計、適切な湿度管理が重要です。

特に家族の健康状態やライフスタイルに合った設計を優先しましょう。

注文住宅のシックハウスのまとめ

シックハウス症候群は、住宅環境が原因で発生する健康被害ですが、適切な対策を取ることでリスクを軽減できます。

注文住宅では、低VOC建材の採用や換気性能の高い設計、湿度管理を重視することが重要です。

家族全員が安心して暮らせる住まいを目指し、設計段階から環境対策を取り入れましょう。

お問い合わせ

資料請求や住まいのご相談はこちらから

お問い合わせ

リビングワーク お問い合わせ電話番号営業時間 / AM8:30~PM6:00 定休日 / 水曜日

メールでお問い合わせ